研究概要 |
動物細胞に侵入したジフテリア毒素はより生じた28kDのフラグメントが、毒素のフラグメントAのエンドソーム膜通過すなわち細胞毒性発揮のための前駆体であるかどうかを調べるために、プロテアーゼによる切断を阻害する試薬を使って、28kDのフラグメントの生成が毒性発現に必須であるかどうかを検討した。 種々のプロテアーゼ阻害剤を使った28kDフラグメントの出現の阻害 使用するプロテアーゼ阻害剤 1.セリンプロテアーゼ阻害剤-PMSF,APMSF,chymostatin,aprotinin 2.システインプロテアーゼ阻害剤-pCMBS,pCMB,antipain,leupeptin,E-64,iodoacetic acid,iodoacetic amido 3.アスパラギン酸プロテアーゼ阻害剤-pepstatin 4.メタロプロテアーゼ阻害剤-o-Phenanthroline,EDTA, 上記阻害剤とあらかじめ処理したVeroH細胞に放射性ヨードでラベルしたDTを37℃で取り込ませた。細胞表面に存在するDTをプロナーゼ処理で除いた後、細胞を可溶化した。SDS-PAGE、オートラジオグラフィーを行ない28kD fragmentが存在するかどうかを調べた。その結果、上記の阻害剤では28kD fragmentの出現を押さえることはできなかった。またその時の細胞毒生はなんら影響を受けなかった。今後は阻害剤の細胞膜透過性を考慮しつつ、さらに他の阻害剤を使用して同様の実験を行なう。
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