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騒音性難聴の数学モデルと聴力損失メーターの開発

研究課題

研究課題/領域番号 10770150
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 衛生学
研究機関旭川医科大学

研究代表者

松井 利仁  旭川医科大学, 医学部, 講師 (00219370)

研究期間 (年度) 1998 – 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワード騒音 / 聴力損失 / NITTS / 計測器 / TTS
研究概要

本研究では,騒音による聴力損失に関して,内耳有毛細胞の配列とその音への反応,騒音による損傷の程度を数学的にモデル化し,任意の騒音曝露による聴力損失をリアルタイムで表示可能な,聴力損失メータの開発を試みた。
1.内耳有毛細胞の音に対する反応に関してモデル化を行った。内耳には各種の反応閾値レベルを持つ細胞が存在し,閾値を超える音刺激に対して,常に反応閾値レベルの音響エネルギーと等価な出力を上位神経系に出力するとした。また,最終的な聴感レベルは全細胞からの出力の和に比例するとした。
2.音による有毛細胞の損傷および回復を微分方程式で表した。反応閾値の等しい細胞ごとに,一定の値を超える音によって,単位時間あたり一定の比率で損傷を受け,曝露音のレベル上昇に伴ってその比率が高くなるとした。また,それ以下の曝露音では,損傷を受けた細胞が一定の比率で回復すると仮定した。
3.最終的なモデルは,定常音による曝露など簡単な条件下においては,NITTS(一時的な騒音性聴力損失)を陽表示可能である。モデル中の各パラメータについては,既存の実験結果などに基づいて,非線形回復分析により,その値を決定した。
4.任意の変動騒音によるNITTSを推定することのできる,聴力損失メータのソフトウエアを試作した。各種変動騒音を用いた既存の実験結果との対応を検討したところ,実用上十分な精度が得られた。従来のNITTSの推定式は,任意の変動騒音には適用できないものが多く,適用可能な式についても実時間での計算処理は困難であった。今回,導いた推定手法は,非常に簡便な計算手順でNITTSの時々刻々の変化を推定可能であり,有毛細胞の損傷・回復をモデル化していることから,従来の推定式よりも適応範囲が広いと考えられる。また,リクルートメント現象を説明できるという特徴も備えている。

報告書

(2件)
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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