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N-of-1 trialによって、医師の処方行動ならび患者の受療行動は変わるか

研究課題

研究課題/領域番号 10770174
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 公衆衛生学・健康科学
研究機関自治医科大学

研究代表者

岡山 雅信  自治医科大学, 医学部, 助手 (10285801)

研究期間 (年度) 1998 – 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワードN-of-1 trial / 慢性疾患 / 医療判断 / 臨床決断 / 処方行動 / 受療行動
研究概要

【目的】慢性疾患では特に患者の個別性、主観、Qualityを重視し、患者と医師の相互理解のもとに治療法の決定がなされる必要がある。慢性疾患の諸症状は日常生活の影響を受けやすく、治療効果の判定は必ずしも容易ではない。そこで、治療効果判定にこの影響を取り除くことができ、また個別の問題に対応できるN-of-1 trialという研究デザインが考案された。この手法の導入により、患者の受療行動や医師の処方行動の変容をもたらし、慢性疾患の至適治療を患者、医師の相互理解のもとで行うことが期待できる。そこで、慢性疾患患者の治療効果判定にN-of-1 trialを導入し、医師、患者、N-of-1 trialの結果の差を評価し、N-of-1 trial導入により医師と患者の行動変容が生じるかを検証した。【方法】デザイン:N-of-1 trialと観察研究。セッティング:外来診療。対象:(1)医師および患者ともに治療効果が確信できない、(2)医師は効果がないまたは不利益が生じるかも知れない治療法を患者が強く受けたいと主張する、(3)医師および患者ともに副作用でないかと思うが確信できない、(4)医師および患者ともに治療薬の適正量が確信できないの4つの条件のいずれかを満たした慢性疾患患者およびその診療担当医師。測定項目:最も困っている症状および日常動作、効果判定を比較する治療法、患者及び医師のN-of-1 trial前後および解析後の治療効果の確信度、各治療法の症状および日常動作の効果判定(Visual Analogue Scale)、N-of-1 trial終了後選択した治療法、患者及び医師の治療効果判定の有用度。【結果】解析対象は患者10人、医師5人であった。患者の年齢は68.2±6.4歳、性別は男4人、女6人であった。疾患又は症状は、膝痛3人、不眠1人、四肢しびれ感2人、腰痛4人であった。N-of-1 trial前の治療効果の期待について、患者と医師が一致したのは4例であった。N-of-1 trial後の治療効果判定の一致は8例であった。N-of-1 trial前後で一致率は2倍となった。選択された治療法とN-of-1 trialの結果との一致は8例。治療法選択時のN-of-1 trialの結果の有用度は患者及び医師ともに全例が有用と回答した。【結論】N-of-1 trial後の患者と医師の治療効果判定の一致率は上がった。慢性疾患の治療法選択にN-of-1 trialの導入の有用性が示唆された。

報告書

(2件)
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 岡山雅信: "N-of-1 trial-個々への適応-"診断と治療. 86. 1913-1918 (1998)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 岡山雅信、梶井英治: "エビデンスに基づく血液難病の治療 自己免疫性溶血性貧血の治療"血液フロンティア. 9. 45-50 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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