研究課題/領域番号 |
10770175
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
出嶋 靖志 杏林大学, 保健学部・人類生態学教室, 講師 (00237025)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 体脂肪量 / DDT / 味覚閾値 / カテコールアミン / インドールアミン |
研究概要 |
4週齢のB6C3F_1マウス雌雄各24匹をそれぞれ2群に分け、一方(DDT群)には落花生油に溶解したDDT20mg/kgを週に1回、10週にわたって経口投与し、他方(Oil群)には落花生油のみを投与した。両群をさらに3群に分け、1群(バター群)は高カロリーバター添加飼料で、1群(セルロース群)は低カロリーセルロース添加飼料で飼育し、残り1群(ダイエット群)は高カロリー飼料で飼育後低カロリー飼料と運動負荷で体重減少させた。その後13週齢で、蒸留水と食塩水の選択摂取による塩味識別閾値検査を全群に行った。各群内でメィティングを行なった後、雄を解剖した。雌は出生仔離乳後解剖した。出生仔は13週齢で親と同様に味覚検査を行なった。親マウスの塩味識別閾値は、DDTバター群がOilバター群より高く、セルロース群はDDT群とOil群の間に差はなかった。DDTダイエット群はOilダイエット群より閾値が高かった。バター群の仔の閾値は親と同様であったが、セルロース群の仔はDDT群とOil群ともに閾値が確定できず、親マウスの栄養不良が影響していると思われる。DDTダイエット群の仔は閾値が確定できたがOilダイエット群の仔は閾値が確定できないほど塩味識別能力が鈍かった。以上の結果は体脂肪量減少によるDDTの生体内遊離が味覚に影響すること、仔への影響が親より強い可能性を示唆している。親マウスの解剖時体重と肝臓重量はDDTバター群が他の群より有意に重く、脳、精巣、睾丸、卵巣、子宮重量は、DDT投与の有無、飼料の違いともに有意でなかった。出生仔の体重、死亡率、性比、流産率ともDDT投与の有無で有意差はなかったが、出生仔数は、DDT群がOil群よりも少ない傾向が認められた。親仔の臓器中DDT濃度の分析は現在進行中である。また、長期飼育実験については加齢に伴う体重減少量が少ないため、飼育継続中である。
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