研究課題/領域番号 |
10770188
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石井 晃 名古屋大学, 医学部, 助教授 (30252175)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | ガスクロマトグラフィー(GC) / 質量分析法(MS) / フェンザイクリジン(PCP) / ペチジン / 電子衝撃法(EI) / 化学イオン化法(CI) / タンデムMS(MS / MS) / 高速液体クロマトグラフィー / ドーピング / 利尿剤 / フロセミド / 固相抽出 |
研究概要 |
昨年度に行った、HPLC/タンデムMSによる利尿剤の高感度検出法の確立については、固相抽出による利尿剤の抽出に関する最適条件について現在も検討中である。昨年本学にGC/タンデムMS(GC/MS/MS)が導入されたため、一部ドーピング薬物の検出法を、本年はこのGC/MS/MSで試みた。GC/MS/MSについては、GC/MS部分でのイオン化の選択や、タンデムMS部分での親イオンの分解条件等、多数のパラメータを動かして最適条件を決定する必要がある。そのため、すでに我々が種々の方法で検出法を開発した幻覚剤のフェンサイクリジン(PCP)及び鎮痛剤のペチジンをモデルとして、GC/MS/MSの最適条件をより効率よく検索することを試みた。なお、ペチジンはIOCにおける禁止薬物のリストにも掲載されており、PCPも各国で法的に禁じられている。ペチジンについては、適切な条件を設定すれば、化学イオン化法(CI)でも、全イオンクロマトグラフィー(TIC)において、通常の電子衝撃法(EI)とほぼ同じイオン強度を得ることができた。CIでは、ペチジンのスペクトルは[M+H]^+のm/z248がベースピークであり、MS/MSでは、これを親イオンとしてさらに分解し、娘イオンをスキャンすることを試みた。得られた娘イオンはm/z220,174等があり、ベースピークはm/z174であった。この場合、MSでもMS/MSでもほぼ同じイオン強度(TICにおいて)が得られたが、MS/MSの利点は、娘イオンのパターンから化合物を同定することが可能であること(CIでは、[M]^+か[M+H]^+のどちらかしか得られないことが多い)や、夾雑物の多いサンプルではピークのs/n比がはるかに良いこと等があげられる。現在は、腐敗した血液からペチジンを同定しており、MS/MSに適した内部標準の選択を含め、さらに詳細な条件を設定を行っている。PCPについては、CIよりもEIの方が感度が高く、分子イオンの強度が低いため、既に開裂したイオンを親イオンとしてスキャンする条件を設定している。
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