研究課題/領域番号 |
10770210
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
川田 浩志 東海大, 医学部, 助手 (20276801)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 造血幹細胞 / 臍帯血 / ex vivo増幅 / 骨髄線維芽細胞 / CD34陽性細胞 |
研究概要 |
臍帯血は骨髄、末梢血に次ぐ第3の幹細胞ソースとして注目されてきている。しかしながら含有されている造血幹細胞数の絶対的不足から、臍帯血を成人の造血幹細胞移植医療や遺伝子治療などに広く応用するためには、幹細胞のex vivo増幅が必要と考えられる。我々は、最近樹立された異種(マウス)骨髄線維芽細胞株(HESS-5)がすぐれたヒト造血前駆細胞増殖支持能を有していることに着目し、ヒト・サイトカインとの併用で臍帯血由来造血幹細胞のex vivo増幅を試みた。サイトカイン(thrombopoietin,flk-2/flt-3 ligand)のみでは、2週間の血清添加培養で、幹細胞が含まれているCD34+/CD38-細胞の増幅率は約4倍に過ぎなかったが、HESS-5を併用することで約150倍の増幅が得られた。コロニー形成細胞数も著明に上昇した(CFU-C:約70倍、CFU-GEMM:約35倍)。このHESS-5のsupportiveeffectは、様々な培養条件の検討から、臍帯血細胞にdirect contactすることによってのみ発揮されることがわかったが、今回新たに考案した、0.45μmのマイクロ・ポアを有する膜を介したdirect contact culture systemを用いることにより、増幅後は異種細胞であるHESS-5の混入なく、増幅された臍帯血由来細胞のみ回収することができた。以上の良好な増幅結果をうけ、無血清培養条件で、より短期間における増幅を試みた。その結果、interleukin-3をcytokine combinationに加えることにより、HESS-5との共培養下でCD34+/CD38-細胞数は5日間で約100倍に増幅された。つぎに、実際にこの増幅された細胞が、幹細胞としての長期的造血維持能を保っているか、long-term-culture-initiating cell(LTC-IC)assayを行った結果、CD34+/CD38-のLTC-ICは5日間という極めて短期間ながら約25倍に増幅されていることが明らかとなった。
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