研究課題/領域番号 |
10770211
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
|
研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
川口 鎮司 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90297549)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 全身性強皮症 / IL-1α / 線維化 / 転写因子 / コラーゲン / 強皮症 |
研究概要 |
強皮症は、皮膚の線維化を主症状とする全身性の結合組織疾患である。線維化の発症機構の詳細な機序は不明であるが、皮膚の線維芽細胞がコラーゲンを過剰に産生することはすでに報告されている。しかし、この線維芽細胞の異常がどのような機序によって生じているかは不明のままである。我々は、強皮症の線維芽細胞を培養し、健常人の線維芽細胞と比較しコラーゲンの産出が亢進していることを確認した。次に、炎症性サイトカインであるIL-1αが、強皮症由来線維芽細胞でのみ構成的に発現しており、コラーゲンの産出に関与していることを明かとした。そこで、本研究では、このIL-1αの過剰産出に関与する因子の同定を試みた。方法としては、IL-1α遺伝子の転写開始部位の上流に位置する転写cis-element部位をプローブとし、yeast one-hybrid systemを利用し、数十種類のクローンを得ることができた。その遺伝子をホモロジー検索を行い、転写因子として報告されている遺伝子および未知の遺伝子を選択し、実際にIL-1α遺伝子に対して、転写活性があるかどうかを検討した。その結果、38kDaのタンパク質がIL-1遺伝子の転写に関与している可能性を明らかにした。また、興味深いことにこの因子は、強皮症由来線維芽細胞でのみ発現が認められており、強皮症の皮膚線維化の機序に重要と考えている。今後、この因子の遺伝子導入線維芽細胞を作成し、IL-1αの産出量、コラーゲン産出量を検討し、強皮症の病態への関与をさらに研究していく方針である。
|