我々はこれまで、テオフィリンのIL-5存在下での好酸球寿命延長を抑制する作用を報告し、さらにその機序にアポトーシスが関与することを証明した。 今回、その作用機序の更なる解析を試みた。方法として、好酸球は、末梢血より、抗CD16を用いたnegative selectionで分離し使用した。一部の実験では腫瘍株であるEOL-3を用いた。培養4日目に好酸球の生存率を算定し、アポトーシスをPI染色法で解析し、caspase3およびcaspase8の発現をwestern blot法を用いて検討した。 上記方法での検討で、テオフィリンはIL-5(0.01-10.0ng/ml)およびGM-CSF(0.01、0.1、1.0ng/ml)添加により誘導される好酸球の寿命延長を濃度依存性に抑制し、アポトーシスを誘導した。GM-CSFは10ng/mlと高濃度になると、テオフィリンの作用に抵抗した。PDEIV antagonist(ロリプラム、RO-20-1724)、dibutryl-cAMPおよびforskolinも同様に寿命延長作用を抑制、IL-5およびGM-CSFの寿命延長作用阻害にcAMPの上昇作用が関与していることが示唆された。さらに薬剤投与による好酸球へのアポトーシス誘導に伴い、caspase3およびcaspase8の発現の誘導も認められた。
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