研究課題/領域番号 |
10770295
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
望月 温子 帝京大学, 医学部, 助手 (50286994)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 体性感覚誘発電位 / 正中神経 / P9電位 / 容積導体 / 腕神経叢 / junctional potential / p9電位 |
研究概要 |
昨年度までに、研究代表者望月は、健常者における正中神経SEP P9の体表分布を、多チャンネルSEPを用いて検討し、頭頚部にP9が、体幹部にそれと潜時を同じくする陰性電位tN9が分布しており、その境界は体幹と頚の移行部に一致することを明らかにした。その極性、分布とも、体幹という大きい容積導体から頭頚部という小さい容積導体に伝導性インパルスが移行するときに生ずるjunctional potentialに一致するため、P9/tN9は体幹〜頚への容積導体の大きさの変化に伴って生ずるjunctional potentialであるという新しい説を提唱した。以上の研究結果は、1998年度に雑誌Electroenceph.Clin.Neurophysiol.に掲載された。 また、健常者において、上肢の内外転、肩の挙上などの姿勢変化を行なったときのP9/tN9の変化を詳細に検討し、従来信じられていたのとは異なり、P9/tN9は上肢の内外転によっては影響を受けず、肩の挙上によってP9/tN9の振幅が低下することを始めて明らかにした。上肢の内外転は神経走行の方向を変えるが体幹〜頚部の境界の形態には影響を与えないこと、肩の挙上は明らかに体幹〜頚部の境界の形態を変えることから、この結果は、P9が腕神経叢付近の神経走行の変化によるという従来説を否定し、体幹〜頚での容積導体の大きさの変化によって生ずるという上記の我々の説を支持する所見と考えられた。以上の結果については、J.Clin.Neurophysiol.に投稿中であり、また、プラハで開催された国際筋電図臨床神経生理学会に発表した。 さらに、本年度には刺激対側頚部〜体幹部でのP9分布を詳細に検討し、P9とtN9の分布の境界が、頚部〜体幹部の移行部の形態に正確に一致することを明らかにし、国内学会に発表した。
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