研究課題/領域番号 |
10770303
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
西條 芳文 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (00292277)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 超音波 / 超音波顕微鏡 / バイオメカニクス / 血管内皮細胞 / ずり応力 / エンドトキシン / 音速 / 減衰 |
研究概要 |
超音波顕微鏡は高周波数超音波を音響レンズにより集束させ、機械的走査により対象物の音響特性の2次元分布を表示することを基本原理とする。超音波は弾性波としての性質を有するため、音響特性と物理的特性とは密接な関連がある。具体的には超音波の減衰は物質の粘性に、音速は弾性に強く関係しているので、粘弾性体と仮定される細胞のバイオメカニクス計測に対して、超音波顕微鏡は非常に有効な手段となる。 本研究では使用周波数100〜200MHzの超音波顕微鏡により、血管内皮細胞の音響特性を計測した。ウシ大動脈血管内皮細胞(BAEC)に流れによる「ずり応力」を24時間与えたところ、細胞の形態は流れの方向に引き伸ばされた。超音波顕微鏡による音響的計測で、核の音速は1610m/sで不変であったが、細胞質の音速は1570m/sから1590m/sに上昇した。ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)にエンドトキシン刺激を与え、前後で超音波顕微鏡によりその形態と音響特性を計測したところ、刺激後には細胞質の減衰は上昇し、その分布は不均一になった。 これらの結果から、血管内皮細胞に対する刺激に対する反応を、超音波顕微鏡にて検出可能であることが証明された。超音波顕微鏡は、細胞に対する蛍光抗体などの前処理が不要で、細胞に非接触で計測でき、将来的にはin vivoにおいても応用可能であるため、細胞のバイオメカニクス計測に有用であることが示された。
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