研究課題/領域番号 |
10770307
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
毛利 聡 岡山大学, 医学部, 助手 (00294413)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | カルシウムセンシタイザー / 心臓メカノエナジェティクス / 陰性変時作用 / 陽性変力作用 / Gregg効果 / 心不全治療薬 / カルシウム感受性増強薬 / EGIS-9377 / 心理学的作用 / 統合生理学的知見 |
研究概要 |
陰性変時作用を持つカルシウムセンシタイザーEGIS-9377の生理学的特性について心臓メカノエナジェティクスの指標を用いて検討した。イヌ交叉灌流摘出心標本にて洞調律下にEGIS-9377を冠動脈内投与したところ1.5mg/minまでは心拍数に影響を及ぼさず、4mg/minでは14%の心拍数減少を認めた。また、冠動脈血流量にも影響を与え、4mg/min投与時に対照群に比較し2.6倍と著明に増加させ、収縮性Emaxを50%増加させた。その成因としてGregg効果が関与していると考え冠動脈血流量を固定したところEmaxの増加は4%であった。血流量の固定により冠動脈圧は低下しており、Gregg効果以外の陽性変力作用があることを確認した。PVAの酸素コストに対してはこれまで報告されてきた陽性変力作用薬と同様に影響を与えなかった。Emaxの酸素コストもドブタミンと同じであった。EGIS-9377急性投与による心臓へのメカノエナジェティクスはこれまでの陽性変力作用薬と同様であり、クロスブリッジでのエネルギー変換効率を改善する効果は認められなかった。βアドレナリン受容体遮断薬は陰性変時作用を持ち、内科的心不全治療の中心的役割を果たしているが、その一つの要因として陰性変時作用が挙げられている。EGIS-9377についても長期予後を改善する可能性があり、慢性効果について検討する予定であったが、動物実験の段階で嘔吐の副作用が強く慢性実験が困難であり、臨床応用には問題があると判断して研究を中断した。
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