研究課題/領域番号 |
10770334
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
菊池 俊夫 久留米大学, 医学部, 助手 (20289432)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | progesterone / カベオラ / カベオリン / 心筋肥大 / プロゲステロン |
研究概要 |
カベオラは細胞膜に存在するフラスコ型の細胞内小器官であり、細胞内シグナリングのコントロールセンターとして機能している。カベオラの主要構成蛋白であるカベオリンはgeneral kinase inhibitorとして働き、細胞の増殖や成長を制御していると推測されている。カベオラやカベオリンに対する特異的阻害薬は発見されていないが、progesteroneは線維芽細胞においてカベオラ構造を消失させると共に、その機能も抑制すると報告されている。本検討では、progesteroneをカベオラの阻害薬として用いて、カベオラの心筋細胞における役割を検討した。新生児ラット培養心筋細胞に水溶性progesterone(10^<-5>〜10^<-8>M)を投与すると、走査電顕による観察でカベオラ構造の有意な減少を認め、心筋カベオラの主要構成蛋白であるカベオリン-3の発現も抑制した。Progesterone刺激は、濃度依存性に心筋細胞の細胞面積、ロイシン取り込み率を増aチさせ、肥大を誘導した(p<0.05,vs.vehicle)。次に、カベオラに局在し、カベオリンにより活性が抑制される心筋肥大のシグナリング物質であるp44/42 MAP kinaseの活性を測定すると、progesteroneの添加により、濃度依存性に心筋細胞のp44/42Kinaseは活性化された(10^<-5>M;72±12%増大)。カベオラ及びカベオリン-3の減少が、心筋肥大を誘導した可能性を推測し、ヒト・カベオリン-3をpcDNAベクターを用いて心筋細胞に過剰発現させると、カベオラ構造の増加とprogesteroneの心筋成長作用の抑制、p44/42 MAP kinaseの活性低下がみられた。以上から、カベオラ及びカベオリン-3は、p44/42 kinase活性の抑制を介して心筋細胞の成長に関与することが示唆された。
|