研究課題/領域番号 |
10770336
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
室原 豊明 久留米大学, 循環器病研究所, 講師 (90299503)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 血管新生 / 側副血行 / VEGF / 内皮由来一酸化窒素 / 高脂血症 / 血管造影 / 毛細血管 / 内皮細胞 / 虚血 / 高脂血漿 / コレステロール |
研究概要 |
血管新生並びに側副血行路の形成は、虚血組織の血液灌流を維持するために重要な生理反応の一つである。我々はこれまでに、内皮由来一酸化窒素(NO)が欠損した状態では、虚血組織の血管新生が著しく抑制されていることを報告してきた。内皮由来NOが血管新生に重要な役割を果たしているという事実を考慮すれば、高脂血症患者ないしは高脂血症モデル動物においては、血管内皮機能が低下し、内皮由来NOの産生が減弱し、その結果組織虚血に引き続く血管新生反応が障害されている可能性が考えられる。我々は高脂血症モデルラットを作成し、片側下肢虚血モデルにおいての血管新生について、in vivoで検討を加えた。その結果、(a)虚血下肢における血管新生は、正常ラットに比べ高脂血症ラットにおいて障害されていた。評価方法として、レーザードップラー法による下肢血流測定、血管造影検査による血管スコアーの算出、摘出虚血組織における内皮細胞の免疫染色による同定および毛細血管密度の算定を用いた。(b)高脂血症ラットにおいては、実際に虚血組織中並びに血中のNOxの量が低下していた。また組織中のcGMP量も減弱していた。反面組織中の内因性NO不活性化物質ADMA量の増加がみられた。(c)内因性NOの前駆体であるL-arginineの経口投与によって、高脂血症ラットの障害された血管新生が改善された。(d)血管新生を惹起する内因性の成長因子、特にVEGFの発現の程度は、高脂血症ラットとコントロールラットでは差がなかった。以上より、高脂血症において、血管新生が減弱していること、並びに内因性のNOの減弱が関与していることが明らかにされた。
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