研究課題/領域番号 |
10770338
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
斉藤 伸治 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (00281824)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | Angelman症候群 / ゲノム刷り込み現象 / UBE3A |
研究概要 |
Angelman症候群(AS)の発症機序を理解するために、原因遺伝子であるubiquitin protein ligase遺伝子(UBE3A)の変異解析を行った。全国から集積したAS患者82名を対象として、系統的な分子遺伝学的診断を行った。解析には、私たちが開発したPCRメチル化テストを中心とする方法を用いて実施した。UBE3A遺伝子の変異解析はPCR-SSCP方に加えて、直接シークエンス法を用いて実施し、解析の精度を高めた。 その結果、父性片親性ダイソミー1例、刷り込み変異例4例を本研究において同定することができた。UBE3A遺伝子に変異を有する患者は同定されなかった。 本研究におけるAS多数例の解析により、AS患者において、UBE3A遺伝子変異が原因である例は非常に少ないことが明らかになった。むしろ、片親性ダイソミーや刷り込み変異例の方が多かった。これらの結果は遺伝相談を行う上で、重要である。 さらに、本研究における患者の集積に伴い、稀な合併症を有する患者を同定した。ASに眼皮膚白皮症2型(OCA2)を合併した例を経験し、OCA2の原因遺伝子であるP遺伝子の変異解析を行った。その結果、P遺伝子に変異を同定し、ASの低色素症の発症にP遺伝子が関与している可能性を示した。また、分子遺伝学的方法論は臨床的には異なった疾患である、Prader-Willi症候群(PWS)にも応用することが可能であった。PWS患者の集積に伴い、稀な、染色体異常を有する例を経験し、報告した。このように、ASとPWSとに対する系統的な分子遺伝学的診断方法を確立し、有用性を明らかにした。
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