研究課題/領域番号 |
10770390
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
門野 岳史 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80292910)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | VEGF / 隆起性皮膚線維肉腫 / 悪性黒色腫 / flg / flt / KDR / bFGF / fit / kdr |
研究概要 |
間葉系皮膚悪性腫瘍である隆起性皮膚線維肉腫における増殖因子として、platelet-derived growth factorが重要であることを我々は過去に報告した。その発現は腫瘍細胞とそれに付随する新生血管にみられ、血管新生と腫瘍の増殖との関連を想定させる。他の血管新生因子としてはvascular endothelial growth factor(以下VEGFと略す)およびbasic fibroblast growth factor(以下bFGF)がよく知られている。我々はまず隆起性皮膚線維肉腫の組織標本を用いVEGF、bFGFの発現について検討した。腫瘍細胞はVEGFおよびbFGFの発現を示した。引き続き、隆起性皮膚線維肉腫由来の培養細胞を用い、VEGFおよびbFGFの発現とその作用について検討した。Mitogenic AssayではVEGFおよびbFGFは正常線維芽細胞と比較し腫瘍細胞に対してより強い増殖刺激活性を示した。RT-PCRではVEGFおよびbFGFの発現は腫瘍細胞と正常線維芽細胞との間の差ははっきりしなかったが、腫瘍細胞は各々のレセプターであるflt、KDR, flg を正常線維芽細胞より強く発現していた。またウエスタンブロツト法ではVEGF、flt、flgの発現が腫瘍細胞で亢進していた。しかしながらKDRの発現は両者で余り差がみられなかった。以上より隆起性皮膚線維肉腫の増殖にVEGFおよびbFGFの関与が想定された。次に各種の悪性黒色腫のcell lineを用いてVEGFの発現を検討した。VEGFの産生は原発由来株、リンパ節転移由来株、内蔵転移由来株の問に明らかな差はみられず、TGF-βおよびIL-6による誘導にも差はみられなかった。またflt、KDRの発現も株間に差はみられなかった。以上より悪性黒色腫のVEGFの発現は腫瘍の進展によって変化しないことか想定された。
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