ヘアレスマウスに24週間に渡りUVA、UVBおよびその両方を照射し、実験的に日光性弾性線維症病変をつくることを試みた。24週間の照射において、肉眼的には著明な真皮成分の増加を認めるものの、HE染色や弾性線維染色による組織学的検討では、明かな日光性弾性線維症は認めることができなかった。現在、カルボキシメチルリジンとペントシジンのAGE構造体に対する抗体を用いて、免疫組織学的に弾性線維におけるAGE形成を観察しており、さらに免疫電顕による観察を行う予定である。また70週齢の自然老化ヘアレスマウスの皮膚を入手しており、紫外線照射群との比較により、増加した真皮の成分についての検討を鐘紡科学研究所の協力のもとに行っている。 今回の検討では、紫外線照射で日光性弾性線維症病変をつくることができず、AGE化については現在検討中ではあるが、AGE化は熱により促進されることが知られており、日光性弾性線雑症の形成においても、紫外線のみでなく、赤外線照射をともにする必要があるのではないかと考えられる
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