研究課題/領域番号 |
10770413
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
岡本 修 大分医科大学, 医学部, 助手 (40284799)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | デルマトポンチン / サイトカイン / 細胞外マトリックス / Dermatopontin / Extracellular Matrix |
研究概要 |
我々はデルマトポンチンと呼ばれる分子がプロテオグリカンであるデコリン、およびサイトカインであるTGF-βと結合し、TGF-βによるplasminogen activator inhibitor promoterの転写活性を約2倍に増強することを見いだし、また本分子が皮膚の線維化を来す疾患である強皮症由来の線維芽細胞において量的に変動するとともにその発現はTGF-β、interleukin-4、コラーゲンによって制御されることも明らかにした。 また、これらの検討の過程で我々は、本分子が他のサイトカインや細胞外マトリックス分子とも結合するのではないかと考え検討を進めた結果以下の結果を得た。 (1).デルマトポンチンは血小板由来成長因子BBホモダイマー(PDGF-BB)と結合する。一方でデルマトポンチンの分子内のダイサルファイド結合を解裂させた、ピリジルエチルデルマトポンチン(PE-デルマトポンチン)はデルマトポンチンの場合に比べ約1.5倍のPDGF-BBを結合する。 (2).PDGF存在下でデルマトポンチンは線維芽細胞のトリチウムミジンの取り込みを増強するが、PE-デルマトポンチンは逆にその取り込みを強く抑制する。 (3).恐らくこれらの作用は細胞表面のレセプターより下流のシグナルをデルマトポンチンやPE-デルマトポンチンが改変することによる。 これらの結果は、サイトカインの生物活性を細胞外マトリックス成分が制御していることを示すものであるとともに、その変性物も多様な機能を持つことを強く示唆するものであり、細胞外マトリックスの未知なる機能の一端が明らかとなった。 上記の結果を論文にまとめ、投稿中である。
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