研究概要 |
今回はFK506,tranilastの線維芽細胞の増殖に対する影響をELISAキットで測定したものである。繊維芽細胞は新生児包皮由来のもので,継代3代目のものを使用した。また,内皮細胞(HUVEC)を用いて同様の実験を行った。 (詳細な実験内容) 96穴dishに10^5/wellの線維芽細胞を播種した。培地は10%DMEM培地に10%FCSを添加したものを使用した。それに更にFK506,tranilast,hydrocortisoneなどの薬剤を加え,各well計100μlにして2日間培養を行い,その後,BrdUを用いたCell proliferation ELISA kitを用いて,各種薬剤の細胞増殖に対する影響の比較を行った。各種薬剤の濃度は,FK506,hydrocortisoneは10^<-6>M,10^<-7>M,10^<-8>M,10^<-9>M,10^<-10>M,tranilastは0.05mg/ml,0.1mg/ml,0.2mg/mlである。またBrdUを加えて培養した時間は2時間である。同様の実験を内皮細胞(HUVEC)を用いて行った。 結果のまとめ 1:FK506では,10^<-7>M以下では,ほとんど対照と変わりがみられなかったが,10^<-6>Mでは,やや対照と比べて,繊維芽細胞の増殖抑制がみられたが,有意差はなかった。内皮細胞では10^<-6>においても対照と差がみられなかった。 2:tranilastでは,線維芽細胞,内皮細胞ともに,0.1mg/mlで有意に細胞増殖抑制がみられた。 今回はTGFβやCTGF産生の検討を行うに至っていないが,今後も検討を続けていく。また,FK506のみでなく,tranilastについても検討を行っていく予定である。
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