研究概要 |
欧米で臨床的な使用も始まっている。I-131標識モノクローナル抗体において、少量分割投与法の検討を行った。分割投与法は、直線加速器による外照射における分割照射と対応する概念である。二段階ターゲット法による癌の放射免疫療法における頻回少量投与法による根治率の改善を検討するために、以下のステップを施行した。 皮下に肺小細胞癌(NCI-H69)を異種移植した担癌ヌードマウスを作成し、これに対して、1)抗神経接着分子(neural cell adhesion molecule,NCAM)抗体をI-131にて直接標識したものを投与する群、2)非標識抗NCAM抗体-抗DTPA抗体複合体およびI-131標識DTPAを48時間間隔で投与する群を設定した。投与量は、1匹あたり、37MBq、抗体0.8mgとした。1)群および無治療群に比して、2)群では有意に良好な生存率が得られ、また毒性は1)群と2)群の間で有意な差異は生じなかった。 次に、2)の投与を単独でなく繰り返し投与とし、一回あたりの抗体投与量を繰り返し回数で除したものとした。繰り返し回数として、4,8回投与、治療間間隔として2週間および4週間を有する合計4群の治療効果を比較する実験を行い、当報告書作成日現在、これらの群における60日間予後の治療効果および毒性をモニター中である。現在のところ、治療回数が8回の群では、一回投与量が小さく、Elkind 回復が得やすいため、毒性が少ないことが確認できている。治療効果については5月中旬に判定できる見込みである。
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