MRI拡散強調画像による軟部組織・実質臓器描出の空間分解能・組織分解能についての検討を行った。 正常ボランティアの上腹部・下腹部および下腿についてSE法T1強調軸位断・T2強調軸位断、FSE法T2強調軸位断およびSE type single shot EPIによる拡散強調軸位断を撮像した。現在臨床の場で多く用いられているPhased array Coilはsequenseの性質上使用できないためbody coilを用いたが、small FOVの設定には不適当で空間分解能やS/Nにもかなり制限があった。動物実験を行う前に試験的に子宮頚癌の臨床例について通常のMRI検査の中で上記の方法と同様の条件で拡散強調画像を撮像したが、FOVを36cm未満に設定できず、また直腸・小腸および子宮腟部周囲のガスによる磁場の乱れにより臨床病期2b以下の病変は描出困難であった。臨床症例において主病巣および腫瘍周囲組織の変化を観察するためにはGP flex coil等の入手が必要と考えられた。
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