研究概要 |
表在リンパ節を高周波数(7.5MHz)電子リニアプローブを用いた超音波検査を行い,表在リンパ節の質的診断を行った.平成10年度では転移性リンパ節と反応性リンパ節の鑑別を行い,転移性リンパ節は反応性リンパ節と比較して,1)低長径/短径比,2)高Pulsatility Index,高Resistive Index,3)リンパ門以外からの血管流入でああった. 平成11年度では,54個の悪性リンパ腫の鑑別診断を行った.長径/短径比は反応性リンパ節と同程度に高かった(平均2.04±0.63).血管抵抗とリンパ門以外からの血流流入は転移性リンパ節と反応性リンパ節の中間であった(PI=1.32±0.16,RI=0.70±0.12).血管外からの血流流入は33%であった.悪性リンパ腫の超音波所見は転移性リンパ節と反応性リンパ節の中間の性質をもっていた. 悪性リンパ腫の化学療法による効果はまず血流に現れ,リンパ節腫大が残存する段階でPI平均減少は0.73,RI平均減少0.15で,またリンパ門以外から血流は消失した.血流減少のなかったリンパ腫は半年の経過観察で化学療法の効果がないと証明された.化学療法の早期効果判定は血管抵抗の減少と血流減少が重要であった.
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