研究課題/領域番号 |
10770472
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
鎌田 光宏 秋田大学, 医学部, 助手 (40282173)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 100千円 (直接経費: 100千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ベンゾジアゼピン / カルシウム拮抗薬 / 催眠 / 睡眠脳波 / ラット / Sleep / Ca^<++> channel blocker / nilvadipine / triazolam / zolpidem |
研究概要 |
ベンゾジアゼピン系薬剤の薬理作用発現に、ベンゾジアゼピン-GABA-C1_-チャネル複合体を介するメカニズム以外にカルシウムチャネルを介したメカニズムが存在することが示唆されている。しかし、ベンゾジアゼピン系薬剤の催眠作用の発現にカルシウムチャネルを介した機構が関わっているかどうかを検討した研究は、これまでほとんど見られない。 この研究では、ベンゾジアゼピン系薬剤であるトリアゾラムと非ベンゾジアゼピン系薬剤であるゾルピデムの急性投与時の催眠作用に対してカルシウム拮抗薬を併用することによる影響を、ラットの睡眠脳波を記録して検討した。また、カルシウム拮抗薬としてはLタイプのニルパジピンとTタイプのフルナリジンの2種類を使用し、併用するカルシウム拮抗薬のチャネル選択性の違いがそれぞれの睡眠薬の催眠作用にもたらす影響についても検討を加えた。その結果、トリアゾラムおよびゾルピデムの催眠作用は、2種類のカルシウム拮抗薬を併用すると、有意に増強された。またトリアゾラムにおいてはLタイプのニルバジピンを用いた方がTタイプのフルナリジンを用いたときよりも催眠作用が有意に増強した。このことは、ペンゾジアゼピンの催眠作用の発現にはカルシウムチャネルを介したメカニズムが存在する可能性があることを示し、主としてその作用機序にはTタイプよりもLタイプのカルシウムチャネルが関与していることを示唆していると考えられる。ベンゾジアゼピン糸薬剤の催眠作用発現のメカニズムについては不明な点も多く、今回の報告により、その一機序としてカルシウムチャネルの関与が示唆されたことは、今後、ベンゾジアゼピン系薬剤の催眠作用のメカ`ズムを明らかにしていく上で重要であろう。
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