研究概要 |
1)ウィルスサイクリンアンチセンスDNAによるKSHV陽性リンパ腫細胞株の増殖抑制 KSHV陽性細胞株(KS-1,BC-1)を、作成したアンチセンスDNAで処理することにより細胞の増殖が抑制され、細胞周期でS期の減少が認められた。KSHV陰性細胞株では、細胞増殖の抑制は認めなかった。 2)インターフェロンα,レスベラトロール処理により、KS-1,BC-1の増殖は著しく抑制され、アポトーシスの誘導がみられた。細胞融解に伴うウィルス産生は電顕上認められず、ウェスタン解析によりウィルスサイクリン蛋白の発現の減少が確認された。これらのことから、インターフェロンα,レスベラトロールがKSHV陽性腫瘍に対する有効な増殖抑制物質であることがわかった。 3)日本の非AIDSリンパ腫においてはKSHVの感染率は一般に希であるが、AILDや菊池病で80-100%に感染が見られることがわかった。 4)KSHV陽性リンパ腫では、他のAIDS関連リンパ腫とは違い、HHV-6の感染は希であることがわかった。
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