1.p70の精製;抗ヒトGMRα鎖モノクローナル抗体結合プロテインAビーズカラムに、ヒトGMRα鎖を強発現しているBa/F3細胞株(マウス由来)の蛋白可溶成分を流しこみ、ヒトGMRα鎖を分離抽出した。SDS-PAGEにより、GMRα鎖とともに得られたp70を分離したが、シークエンス解析が可能な収量には末だ至っていない。 2.p70の発現;ヒト血液細胞におけるGMRとp70の発現を検討するため、健常者、血液疾患患者の末梢血白血球及び骨髄細胞を用いて抗ヒトGMRα、β鎖モノクローナル抗体による免疫沈降を試みた。しかし、細胞あたりのGMR発現量自体が疾患によって大きく異なること、GMRα鎖結合p70は微量であり、免疫沈降法での解析は困難であることが判明した。 3.骨髄異形成症候群(MDS)におけるGMR発現量の解析;血液疾患の中でも、半数以上の例で発現低下が認められたので、末梢血白血球を対象に、フローサイトメトリー法とKolmogorov-Sminov testによる定量的解析を行った。GMRβ鎖は、白血病化のリスクの高い病期の好中球で有意に発現が低下しており、α鎖については、病期とは無関係な発現低下例が認められた。
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