研究課題/領域番号 |
10770526
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
渡辺 英綱 福島県立医大, 医学部, 助手 (70264546)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | エイコサノイド / 食塩感受性高血圧 / 急性腎不全 |
研究概要 |
Prostanoidsは高血圧の発症、維持に関与している可能性が示唆されている。しかし、Prostaglandin(PG)I_2とThromboxane(TX)A_2の食塩感受性高血圧での役割は未だ確立していない。本研究ではPGI_2レセプター(IP)あるいはTXA_2レセプター(TP)遺伝子が食塩感受性高血圧に影響するかどうかを検討し次の結果を得た。 (1) TP(-/-)とIP(-/-)の尿中TXB_2とPGF_<2α>排泄量はWild typeと変化がなく、Prostanoidレセプター遺伝子によるリガンドへの影響はないと思われる。 (2) tail-cuff法で測定したTP(-/-)(n=6)の収縮期血圧はTP(+/+)(n=6)よりわずかに高かった(130±6 vs 117±6mmHg)。一方、IP(-/-)(n=6)の収縮期血圧はIP(+/+)(n=6)よりわずかに低かった(110±1 vs 126±10mmHg)。 (3) 高食塩食(8%NaCl)を3週間投与するとIP(-/-)の収縮期血圧は徐々に上昇した(110±1から129±10mmHgに;P=0.005)。一方、IP(+/+)、TP(-/-)、TP(+/+)の収縮期血圧は高食塩食でも変化しなかった。 以上の結果よりTPとIPは血管収縮、血管拡張作用以外の働きによりbaselineの血圧の維持に関係しており、食塩負荷時には少なくとも一部はIPによるシグナルを介した血圧の適応がなされている可能性が示唆された。 また、虚血再潅流急性腎不全におけるProstanoidsの関与についての検討ではこれまで、TP antagonistの投与により腎障害が抑制されたとする報告が多いが、本研究では24時間後、48時間後のTP(-/-)(n=6)のBUNはTP(+/+)(n=5)と有意差はなかった(24時間168±46 vs 176±75mg/dl、48時間131±56 vs 136±61mg/dl)。
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