研究課題/領域番号 |
10770528
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
鶴岡 秀一 自治医科大学, 医学部, 助手 (50285798)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | アシドーシス / 集合管 / 細胞内情報伝達系 / ホメオスターシス / 細胞内カルシウム |
研究概要 |
昨年に引き続き、代謝性アシドーシス時の腎集合管での酸排泄増加機構に対する、細胞内情報伝達系の関与を検討した。このために単離潅流した髄質外層内帯の集合管を、我々の作成したin vitro acidosisのモデル(1時間pH6.8+2時間pH7.4でのin vitroにおけるインキュベーション)において実験を行い以下の結果を得た。 1)calmodulin antagonistであるcalmidazoliumを最初の1時間のみ加えると酸分泌増加は完全に抑制される。 2)細胞内小胞体のCa-ATPase阻害薬であるthapsigarginを最初の1時間のみ加えると酸分泌増加は完全に抑制される。 3)Protein Kinase C阻害薬であるstaurosporineを最初の1時間のみ加えると酸分泌増加は完全に抑制される。 これらのことおよび昨年に発見したことから、以下のことが示唆される。 髄質外層内帯の集合管での酸排泄増加にはpH低下初期にProtein Kinase Cの活性化および細胞内小胞体からのカルシウムの流出がおこる。これにより酸輸送体(主にvacuolar type H-ATPase)の細胞膜表面への移動に必要な蛋白質の合成がおこる。この蛋白合成はpH低下初期だけではなくpHを正常へ戻したあとも、少なくとも2時間は継続している。これにより細胞質内にあった輸送体が細胞膜に到達し、酸分泌能を発揮するようになる。これらのことにより、体液のpHが巧妙に維持されている。
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