研究課題/領域番号 |
10770574
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
長坂 昌一郎 自治医科大学, 医学部, 講師 (00296112)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ミニマルモデル / 安定同位体 / 糖代謝 / 糖尿病 |
研究概要 |
1.健常者ボランテイア(8名)、2型糖尿病患者(11名)を対象に、安定同位体標識ぶどう糖を用いた経静脈糖負荷試験を施行し、血糖値、インスリン濃度から従来のミニマルモデル解析によるSi(インスリン感受性指数)、Sg(glucose effectiveness、glucose効果)(それぞれ末梢組織への糖取り込み促進と、肝臓での糖放出抑制の両者を合わせた指標)を求めた。また安定同位体ぶどう糖濃度(ガスクロマトグラフィー質量分析法)、インスリン濃度からtwo-compartment modelをもちいて、末梢組織への糖取り組み促進の特異的指標Si^<2*>、Sg^<2*>を求める方法、及びdeconvolution法により糖負荷試験中のendogenous glucose production(EGP)の経時的変化を求める方法を確立した。 2.2型糖尿病患者においてSi×10^4=6.7±0.8[(μU/ml)^<-1>・min^<-1>](Mean±SE)、Sg=0.0132±0.0015(min^<-1>)であり、健常者の11.8±2.6および0.0203±0.0022よりそれぞれ有意に低値であった。一方糖尿病患者のSi^<2*>×10^4=6.2±0.7は、健常者の11.0±1.9より有意に低値であったが、Sg^<2*>=0.0070±0.0012は、健常者の0.0055±0.0016と有意差を認めなかった。従って2型糖尿病におけるSgの低下には、肝臓での糖放出抑制にかかわるglucose作用の低下が関与している可能性が示唆された。 3.EGPの基礎値は糖尿病で1.77±0.09(mg・kg^<-1>・min^<-1>)と健常者の1.43±0.17より高い傾向を認めた。負荷試験中の経時的変化では、糖負荷後20分までは両群ともEGPは急速に抑制され、この抑制はglucoseの直接作用と考えられた。糖尿病でHbA1cが高値の5名では、この初期の抑制はあきらかに不良であった。2型糖尿病におけるSgの低下には、EGPの抑制不良が関与している可能性が示唆された。
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