研究課題/領域番号 |
10770579
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
谷口 英樹 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (70292555)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 肝臓 / 幹細胞 / 分化 / 増殖 / 自己複製 / 肝細胞 / 胆管細胞 / liver / regeneration / organogenesis / stem cell / cell growth / differentiation |
研究概要 |
単離した肝細胞集団の中から、多能性を持つ肝幹細胞をFACS(Fluorescence activated cell sorter)とモノクローナル抗体を用いた細胞分離法により濃縮・純化し、それらの機能解析を行うことを目的として研究を行った。まず、in vitro肝幹細胞機能解析系の確立を目的として、マウス胎仔肝細胞の培養系を検討し、1個の細胞を始点とするクローン性コロニーを効率よく誘導可能な培養条件を決定した。そして、このコロニー形成能を指標として、FACSとモノクローナル抗体により画分化したマウス胎仔肝から単離した細胞群の解析を行った。その結果、胎仔肝中の非血球画分であるCD45^-TER119^-細胞から段階的に画分化を進め、最終的にc-Kit^-CD49f^+CD29^+ CD45^-TER119^-細胞中に限定的、かつ、高頻度に増殖能の高いコロニー形成能を有した細胞が存在することが判明した。さらに、それらのクローン性コロニーを拾い上げRT-PCRおよび免疫染色法による細胞系列マーカーの発現の検討を行った。その結果、肝細胞マーカーと胆管細胞マーカーの発現を共に確認した。すなわち、1個のc-Kit^-CD49f^+CD29^+ CD45^-TER119^-細胞から肝細胞と胆管細胞という異なる系列の細胞が分化し得ることを明確に証明した。また、FACSにより分離したc-Kit^-CD49f^+CD29^+CD45^-TER119^-細胞は、in vivoにおいても肝組織再構築能を有することを細胞移植により確認した。これらの結果は、マウス胎仔肝臓中のc-Kit^-CD49f^+CD29^+ CD45^-TER119^-細胞は、高い増殖能、多分化能、組織再構築能を兼ね備えた肝幹細胞(hepatic stem cell)であることを示唆する。すなわち、本研究により、精度の高い肝幹細胞の純化・回収法が世界に先駆けて初めて確立された。これらの成果に関する論文は、現在投稿中である。
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