研究課題/領域番号 |
10770583
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
三輪 史郎 信州大学, 医学部, 助手 (20293516)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 心移植 / エンドセリン / 動脈硬化 / 接着分子 |
研究概要 |
心臓移植における移植後慢性期の冠動脈硬化による心筋梗塞を抑制するためにその原因因子の特定、予防が研究されているが、はっきりとした治療が確立されていない。接着分子抗体による免疫寛容とFK506による免疫抑制療法の違いについて慢性期における組織像を検討したところ明らかに接着分子療法で寛容を得たマウスは動脈硬化が無かったのにたいしFK506による治療群では動脈硬化が発生していることを発見した。一般に動脈硬化を起こす物質としてエンドセリンが注目されているが、接着分子抗体によりエンドセリンの分泌が抑制され動脈硬化を抑えることができることを示しFK506との違いを、すでに確立しているマウス異所性心移植モデルを使用しFK506による治療群と抗接着分子抗体(抗マウスICAM-1、抗マウスLFA-1)を使用して検討した。昨年の成果として組織像での明らかな有意差を認め抗接着分子抗体で治療した群では動脈硬化が進行しないことが示され、さらに免疫組織染色で動脈硬化の部位に一致してエンドセリンの発現を認めた。本年度はin situ PCRでエンドセリンのm-RNA分布を検討し血管内皮細胞での有位性を証明した。現在さらにエンドセリンのノックアウトマウスを用い、動脈硬化の進行が抑えられるかを検討中である。またINF-γやIL-1がエンドセリンを誘導するという最近の知見があり、エンドセリンが結果である可能性も出てきた。動脈硬化の進行を免疫寛容が抑制できる原因としてINF-γやIL-1がより直接的に関与している可能性があり、免疫染色、in situ PCR、INF-γのノックアウトマウスを用いた実験系を開始し移植後の動脈硬化の発生機序について、より体系的に検討する予定である。エンドセリンの証明だけでは原因を十分に証明したとは言い難く、論文として結果を出せていないが過程として重要な結果が得られており、十分な証拠を得るために実験の継続が必要である。
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