研究課題/領域番号 |
10770600
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
日暮 愛一郎 産業医科大学, 医学部, 助手 (20289581)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 組織因子 / 好中球 / 血液凝固第X因子 / 動物モデル / 敗血症 / 凝固異常 |
研究概要 |
研究内容 1)我々は組織因子(TF)の発現細胞として好中球の関与を各種動物モデルを用いて証明してきた。今回、ヒト好中球TF発現について炎症局所と末梢血を対象として検討した。汎発性腹膜炎症例の手術時に腹水と末梢血を採取し、塗沫標本を作製。抗TFモノクローナル抗体を用いた免疫組織化学的検討を行った。末梢血より分離した好中球の膜表面TF抗原量を免疫組織染色、フローサイトメーター、及びTFmRNA量をRT-PCRを用いて検討した。 2)血液凝固プロテアーゼの産生とTFの発現誘導及び炎症性サイトカイン産生との関係を検討するために下記の研究を行った。LPS静注にてラットDICモデルを作製。血液凝固活性化第X因子(factor Xa;FXa)の特異的阻害剤(DX-9065a)を投与して、肝組織におけるTF抗原・TF mRNA発現及び炎症性サイトカイン(MCP-1)の産生への影響を検討した。 結果 1)腹水塗沫標本のTF免疫染色では、腹水中に遊出した多くの好中球の膜表面にTF抗原陽性の所見を得た。急性虫垂炎症例での虫垂切除標本でも、集簇した好中球がTF陽性を示した。末梢血中の好中球は、TF染色では検出できなかったが、RT-PCRを用いたmRNAの検討では、高発現を示す症例も存在した。2)LPS誘導ラットDICモデルにおいて、特異的FXa阻害剤は肝組織におけるTF抗原、TF mRNAの発現を有意に抑制した。血中のトロンビン産生だけでなく炎症性サイトカインのMCP-1も用量依存性に抑制した。以上の結果から、凝固プロテアーゼのFXaは炎症応答と関連しており、またpositive feedbackによってTF発現にまで影響していることが示唆された。
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