研究課題/領域番号 |
10770604
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小池 直人 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (50301081)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | シリアルLe^x / シリアルLe^a / 胆道癌 / 血管内皮細胞 / 血管浸潤能 / ヒト胆道癌細胞 / 細胞接着分子 / 接着能 / 浸潤能 |
研究概要 |
1.胆道癌細胞に発現するシアリルLe^x(SLX)、シアリルLe^a(CA19-9)をFACSにより解析し、血管内皮細胞への接着性との関連を検討した。 2.血管浸潤モデルにより、in vitroで血管浸潤能を評価した。 3.in vivoで胆道癌細胞株の肝転移能の評価を試みた。 4.胆道癌の一つ十二指腸乳頭部癌患者の血中CA19-9値、及び、その原発巣におけるCA19-9、SLXの発現様式と根治切除後の肝転移、予後との関係を検討した。 『結果』1.昨年度と異なり、FACSを用いた実験では高接着胆道癌細胞株には、SLX、CA19-9の少なくとも片方の強い発現が認められた。特に、接着性が強いMZ-ChA-1では、これら分子の極めて強い発現を認めた。一方、低接着株ではこれら分子の発現は認めなかった。以上より、胆道癌細胞と血管内皮細胞との接着性にSLX、CA19-9の発現量が大きく関与している可能性が示唆された。 2.血管浸潤能はSLX、CA19-9の発現量と必ずしも相関しなかった。特にKMBCはSLX、CA19-9はいずれの発現もなかったにもかかわらず血管浸潤能は極めて高い値を示した。今回の結果は、胆道癌細胞と内皮細胞とのco-cultureが、浸潤能を増強させる因子の産生を促している可能性を示唆した。サイトカインTNFは胆道癌細胞の接着分子の発現、浸潤能に影響を与えなかった。現在HGFに関し検討中である。 3.当初予定の経脈管転移モデルは多数のマウスを時間的に同時に処理できないため、経脾転移モデルを作成することとした。しかし、マウス内での胆道癌細胞の増殖は遅く、まだ結果を見るに到っていない。よって、4のごとく臨床例における検討を行なった。 4.血中CA19-9値と予後、肝転移の発生頻度に有意な関連は見られなかったが、原発巣でのCA19-9の発現様式と予後、肝転移発生頻度に有意な関連が認められた。SLXと予後、肝転移との間には有意な関連は認められなかった。
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