研究課題/領域番号 |
10770656
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
駒井 宏好 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (00231324)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 開心術 / 先天性心疾患 / 血管内皮細胞 / 白血球接着分子 |
研究概要 |
当初の計画通り患者の家族にinformed concentをとった上で29例の小児開心術患者より採血を行った。うち14例でMDSを投与した。採取した血液は遠心分離しThrombomodulin、過酸化脂質、補体C3、顆粒球エラスターゼ、および血中ミエロペルオキシダーゼの測定を行った。また臨床的な肺血管障害の指標となるrespiratory indexを術後に血液ガス分析結果より算出した。結果:体外循環前後で対照群ではThrombomodulin(FU/mL)は3.9±1.5から4.8±1.9に増加するのに対しMDS群は3.9±1.6から3.7±1.3とほぼ不変であった。また顆粒球エラスターゼ(μg/L)は対照群135±64から776±202、MDS群97±41から511±221と増加は対照群のほうが大きかった。血中ミエロペルオキシダーゼ(μg/L)も対照群312±145から537±215、MDS群264±140から379±84と顆粒球エラスターゼ同様増加は対照群の方が大きかった。内皮細胞障害を最も顕著に反映する肺酸素化能の指標であるrespiratory indexも術直後、術後3時間で対照群は1.85±0.62、1.75±0.41であるのに対し、MDS群では1.49±0.20、1.58±0.41と良好に経過した。過酸化脂質、C3に関しては両群間で差はなかった。 この結果よりMDSは当初仮定したとおり白血球による障害を抑制している可能性が示唆され、臨床的にも術後の肺機能障害を防御していることが確認された。
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