研究課題/領域番号 |
10770751
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
古谷 秀勝 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (60293974)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 血管内皮細胞 / 全身麻酔薬 / 容量依存性カルシウムチャネル / 分子生物学 |
研究概要 |
血管内皮細胞容量作動性Ca^<2+>チャネル(Store-operated-Ca^<2+>Channel:SOCC)の一つをクローニングした。選択的スプライシングにより少なくともlong typeとshort typeの2種類存在する。このチャネルは血管内皮細胞以外に消化管、肺、脳、尿管、副腎に発現している。血管平滑筋細胞にはこの2種類のタイプが完全な形で存在しており発現量も多い。チャネルの機能的発現を明らかにするため前年度はアフリカツメガエル卵母細胞にチャネルcRNAをマイクロインジェクションし強制大量発現させる系で行ったが卵母細胞は内因性SOCCを有し、強制発現したチャネルが単独ではなくオリゴヘテロマーの形成など内因性SOCCを修飾することにより機能している可能性があり、SOCCをほとんど持たないHEK細胞系にこのチャネルを安定発現させた細胞株を作成した。この系でもthapsigargin刺激によりCa^<2+>流入が起こり、クローニングしたチャネルが単独でSOCを起こすと考えられる。また両発現系でshort typeの方が発生する電流が大きく、選択的スプライシングで欠落した部位がチャネル開閉の調節に関わる可能性がある。 血管平滑筋細胞では、エンドセリン刺激で活性化されるCa^<2+>流入は電位依存性チャネル(VOCC)よりも容量作動性チャネル(SOCC)や非選択的陽イオンチャネル(NSCC)の寄与の割合が大きく、またSOCCとNSCCはCa^<2+>チャネルブロッカーのSK&F96365とLOE908への感受性が異なることで区別できることを報告した。今回クローニングしたチャネルもSK&F96365によって抑制され、LOE908では抑制されない。単独のチャネルでこのような薬物感受性を確認した例は今のところ報告されておらず初めて得られた知見である。全身麻酔薬等の他の薬物による影響も現在検討中である。
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