研究課題/領域番号 |
10770760
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
濱川 俊朗 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (50253836)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 局所麻酔薬 / 痙攣 / 神経毒性 / パッチクランプ / 電位依存性チャネル / リガンド依存性チャネル / セルライン / 海馬神経細胞 / NG108-15細胞 |
研究概要 |
局所麻酔薬の中枢神経系に対する作用を調べるため、次の実験を行った。 1.電位依存性チャネルに対する効果 電位依存性チャネルの一つである内向き整流性カリウムチャネルに対する局所麻酔薬の効果を、光学異性体間でその毒性が異なるといわれるブピバカインを用いて調べた。モデルとしてneuroblastomaとgliomaのハイブリッド細胞であるNG108-15細胞(分化型)、初代培養系として胎児ラットの海馬神経細胞を用いた。 NGl08-15細胞において内向き整流性カリウムチャネルの存在を確認した。この電流に対するプピバカインの効果を調べたところ、有意な変化を認めなかった。培養胎児ラット海馬神経細胞における実験は形態学的に2週間ほど生存しているものの、パッチクランプ法による電流観察は培養開始から5日目の細胞で成功するにとどまった。この細胞において内向き整流性カリウム電流を観察することはできなかった。 2.リガンド依存性チャネルに対する効果 これまで、局所麻酔薬による痙攣発生のメカニズムは「抑制系が抑制される」といわれており、同様にGABAA受容体に対する局所麻酔薬の効果に関する報告はなされているので、我々は興奮性伝達物質であるグルタミン酸の受容体、NMDA受容体並びにAMPA受容体に対する局所麻酔薬の効果を調べたが、有意な変化を認めなかった。 3.グルタミン酸トランスポータに対する効果 近年、痙攣発生にグルタミン酸トランスポータが関わっているといわれている。このため、局所麻酔薬がグルタミン酸トランスポータを抑制するのではとの仮説を立て実験を行った。グリア細胞のcell lineであるC6細胞を用いて、グルタミン酸トランスポータ電流の同定を試みた。グルタミンの投与により微少な電流変化を観察できたが、グルタミン酸トランスポータのブロッカーであるdehydrokainateに非感受性であった。後にこの電流がガドリニウムイオン感受性であることからstretch-activated cation channelであると推測された。この電流はブピバカインの影響を受けなかった。
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