研究課題/領域番号 |
10770775
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
廣橋 伸之 久留米大学, 医学部, 助手 (30218862)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | エンドトキシン / LPS / 単球 / プライミング / トレランス / ELISA / サイトカイン / TNF |
研究概要 |
救急・集中医療において敗血症性(特にエンドトキシン)ショックは未だ治療に難渋する病態のひとつである。この病態を理解する為の基礎研究として、ヒト末梢血単核球におけるエンドトキシンreprogramming(トレランス/プライミング)を検討。末梢血単核球を種々の濃度のエンドトキシン(以下LPS)で6時間前処理し、培養上清を除去し再度LPSまたはCon Aで刺激し、培養上清中のサイトカインを測定。微量LPS前処理→LPSでは、TNF、IFN-γはプライミング、IL-10はトレランスが観察され、高濃度LPS前処理ではTNFはトレランス、IL-10はプライミングが観察された。IL-6は全濃度LPS前処理でプライミングが観察された。一方、LPS前処理→Con A刺激では、前処理のLPS濃度依存性にCon AによるTNF、IL-10、IL-6産生は増強され、IL-2は前処理のLPS濃度依存性に産生が抑制された。IFN-γはいずれの濃度の前処理においても影響を受けなかった。次にこれらのLPS前処理による末梢血単核球の選択的サイトカインモデュレーションが他のサイトカインや薬剤によって影響を受けるか検討。LPS前処理時にIL-12あるいはGM-CSFを投与し、再度LPSで刺激したところそれぞれのLPS濃度でTNF、IL-6、IL-10の産生増強が観察されたが、LPS微量前処理で増強(抑制)、LPS高濃度前処理で抑制(増強)のパターンは影響を受けなかった。またステロイド(メチルプレドニソロン)や蛋白分解酵素阻害剤(ウリナスタチン)では一部のサイトカイン(TNF、IFN-γ)はその増強(抑制)パターンが完全に消失した。以上よりLPS前処理によって各種サイトカインは選択的にモデュレーションを受け、それらは二次刺激の種類によっても異なった結果を示した。さらにそのモデュレーションは薬剤で調節できる可能性があり、敗血症におけるエンドトキシントレランスとプライミングを修飾できる可能性が示唆された。
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