研究課題/領域番号 |
10770793
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
齊藤 源顕 (齋藤 源顕) 鳥取大学, 医学部, 助手 (60273893)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 神経因性膀胱 / 虚血-再かん流 / 一酸化窒素 / 阻血・再潅流障害 / 一酸化窒素(Nitric Oxide NO) / フリーラジカル |
研究概要 |
[目的] 虚血-再灌流傷害による膀胱機能と一酸化窒素の関係を検討したので報告する。 [実験方法] 雄Wisterラットの大動脈分岐部を血管クリップでクランプし、はずすことで膀胱の阻血再灌流モデルを作製した。この膀胱を用いて1)様々な阻血時間での恒温槽を用いた機能実験、2)阻血時間30分再灌流時間30分でNO合成阻害剤であるL-NAMEの様々な濃度を与えた機能実験、3)L-NAME,L-NMMAをそれぞれ30mg/kgを投与し阻血時間30分再灌流1週後とし、この薬剤の予防効果を機能実験で確認した。4)阻血時間30分再灌流時間30分での持続膀胱内圧測定、5)レーザードップラーを用いた血流量、NO電極を用いたNO放出量の測定、6)抗eNOS,INOS抗体を用いた免疫染色を施行した。 [結果]機能実験で膀胱平滑筋は阻血時間依存的に障害された。阻血30分に設定すると再灌流30分にてその傷害は増強されたが、この障害はL-NAMEの容量依存的に予防できた。阻血時間30分とし、再灌流1週間後は膀胱平滑筋の障害は再灌流30分に比べ優位に回復したがNO合成阻害剤の投与のよりコントロールのレベルまで回復した。持続膀胱内圧測定では阻血30分で排尿時膀胱内圧は優位に低下した。再灌流30分で排尿時膀胱内圧はやや回復し、L-NAME投与によってコントロールレベルまで回復した。NO電極を用いた膀胱平滑筋の阻血-再灌流時におけるNO産生の変化は、阻血開始直後より増加し阻血開始約45分でベースラインの155.3%で平衡に達した。再灌流を開始するとNO産生が急激に低下し、ベースラインで平衡に達した。コントロールではeNOSが移行上皮に存在し、阻血再灌流においてiNOSが膀胱に浸潤してきた多核球に観察された。 [考察・結論]膀胱は阻血で障害され再灌流でさらに傷害が増強した。この傷害は多核球から産生されるNOが増悪因子であった。NO合成阻害剤でこの阻血再灌流傷害は予防でき、NOが増悪因子の可能性を示唆した。
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