研究課題/領域番号 |
10770816
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
山本 員久 大阪医科大学, 医学部, 助手 (90301811)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | p53 / Yeast functional assay / 膀胱腫瘍 / Rat |
研究概要 |
BBN誘発膀胱腫瘍では26頭中12頭(46%)で変異が検出されたが全例で赤コロニーの比率は50%を下回った。BBN誘発膀胱腫瘍においてp53の変異があると判定された12頭の病理診断では組織型は全例移行上皮癌であった。BBN中止後短期経過群と長期経過群に分けると悪性度と深達度は長期経過群で進展している傾向が認められた。短期経過群では7頭中2頭のみクローナルな変異が同定されたのに対し、長期経過群では5頭すべてにクローナルな変異が同定された。クローナルな変異以外に非クローナルな変異も含めたすべての点突然変異は塩基別ではチミンに生じた変異が31例中17例を占めたがDNA鎖でチミンと結合しているアデニンに生じた変異は1例も認めなかった。クローナルな変異ではプリン塩基からピリミジン塩基へのトランスバージョンは検出されなかった。クローナルな変異の内訳はGからA、CからTのトランジションかそれぞれ1サンプルと2サンプルにみられTに関する変異が3サンプルにみられた。非クローナルな変異を加えるとCからTへの変異がGからAへの変異より多く(7対3)、Tに関する変異がAに関する変異より多かった(17対0)。以上の結果はBBN中止後、短期間経過したグループではラットの多発性膀胱腫瘍では非クローナルな変異が含まれており、皮膚癌にみられる発癌の1つの形態である場の癌化説の仮説に一致するものであった。しかしBBN中止後、長期間経過したグループにはクローナルな変異が検出された。すなわち、BBN誘発膀胱腫瘍においてp53の変異は発癌過程で早期に生じるものの、腫瘍の発育には重要な意味をもたないものと考えられた。
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