研究課題/領域番号 |
10770818
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
横山 良仁 弘前大学, 医学部, 助手 (90261453)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 上皮性卵巣癌 / 薬剤耐性 / GST-π / c-Jun / P糖蛋白 / 多剤耐性関連蛋白 / CDDP耐性 / ヒト卵巣癌細胞 / c-jun |
研究概要 |
上皮性卵巣癌における多剤耐性マーカーであるGST-π、c-Jun、P糖蛋白、多剤耐性関連蛋白の発現を明らかにし、それらの発現が、抗癌化学療法の反応性と患者予後の予測因子となるかどうかを検討するため、卵巣癌初回手術に得られた58例の卵巣癌摘出標本を各々の抗体を用いた免疫組織化学染色で調べた。58例での陽性率は、GST-πが58.6%、c-Junが44.8%、P糖蛋白が27.6%、多剤耐性関連蛋白が22.4%であった。多剤耐性関連蛋白陽性腫瘍を持つ患者の5年無病生存率は、26.0%であり、一方多剤耐性関連蛋白陰性腫瘍を持つ患者の5年無病生存率は75.2%であった。前者は、後者に比べ有意に予後不良であった(P<0.05)。同様に、GST-π陽性腫瘍を持つ患者の予後は、GST-π陰性腫瘍を持つ患者に比べ有意に予後不良であった(51.9%対79.2%、P<0.05)。多変量解析を用いた検討では、2cm以上の残存腫瘍径と多剤耐性関連蛋白発現が、抗癌化学療法抵抗性に対する有意な予測因子であった。2cm以上の残存腫瘍かつ多剤耐性関連蛋白陽性かつGST-π陽性の卵巣癌患者は、それらの因子を全く持たない卵巣癌患者に比べ、抗癌化学療法に抵抗する危険率は10.6倍の高率であった。多剤耐性関連蛋白とGST-π発現は、上皮性卵巣癌の標準化学療法に抵抗する予測因子となり得る可能性があり、それらの発現は、卵巣癌術後化学療法選択の個別化に対して参考になり得ることが示唆された。
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