研究課題/領域番号 |
10770834
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
佐本 崇 神戸大学, 医学部, 助手 (80294213)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | Leiomyoma / Estorogen / Progesterone / Epidermal growth factor / apoptosis / Bcl-2 / Estrogen / Epidermual growth factor receptor |
研究概要 |
1.性ステロイドによる子宮筋腫発育を増殖能より検討した。正常子宮筋に比して子宮筋腫細胞でPCNA陽性細胞比率は有意に高く、子宮筋腫細胞では増殖期に比して分泌期でPCNA陽性細胞比率は有意に高かった。また、正常子宮筋ならびに子宮筋腫細胞培養系においてestradiolが正常子宮筋ならびに子宮筋腫細胞のPCNA発現をともに亢進したのに対して、progesteroneは子宮筋腫細胞のPCNA発現のみを亢進した。子宮筋腫細胞ではestradiolならびにprogesteroneともに増殖促進因子であることが明らかとなった。次いで、この性ステロイドによる子宮筋腫細胞増殖能促進への局所因子epidernal growth factor(EGF)の関わりを調べた。estradiolがEGF受容体発現を増強し、progesteroneがEGF産生を増加させたことより、estradiolとprogesteroneがEGF-EGF受容体系を介して補完的、協調的に作用することにより子宮筋腫細胞の増殖能を高めることを明らかにした。 2.性ステロイドによる子宮筋腫発育の基礎的メカニズムを、性ステロイドの子宮筋腫細胞アポトーシスに及ぼす影響より検討した。子宮筋腫細胞ではアポトーシス抑制遺伝子であるBcl-2蛋白の強い発現を認めるのに対し、正常子宮筋細胞ではその発現は極めて弱かった。性周期との関連で増殖期に比して分泌期でBcl-2蛋白発現の増強が観察された。また、子宮筋腫細胞培養系において、progesteroneがBcl-2蛋白発現を著名に高めること、estradiolがBcl-2蛋白発現を若干低下させることを明らかにした。以上より子宮筋腫細胞にはBcl-2蛋白によるアポトーシス抑制機構の存在が推察され、性ステロイドは子宮筋腫細胞におけるBcl-2蛋白発現を調節しており、特にprogesteroneが子宮筋細胞におけるBcl-2蛋白発現を高めることから、progesteroneによるBcl-2蛋白を介するアポトーシス抑制機構の子宮筋腫発育への関与の可能性が示唆された。
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