研究概要 |
1.胎生12.5〜18.5日、生後1〜39日のマウス角膜を用い、c-fos,c-jun,fosB,junB,junD mRNAを、in situ hybridization法で検討した。c-fos mRNAは、胎生14.5〜生後10日、c-jun mRNAは、胎生16.5〜生後10日、fosB mRNAは、胎生18.5〜生後1日、junB,junD,mRNAは、胎生14.5〜生後39日の角膜上皮に発現が認められた。 同様に、胎生12.5〜18.5日、生後1〜39日のマウス角膜を用い、c-Fos蛋白、c-Jun蛋白を、免疫組織化学法で検討した。c-Fos蛋白は、胎生14.5〜生後10日、c-Jun蛋白は、胎生14.5〜生後3日の角膜上皮に免疫反応陽性の細胞を認めた。 以上の結果から、角膜の器官形成過程において、これら細胞性癌遺伝子が、何らかの関与をしていると考えられた。 2.c-fos gene knock out mouseの角膜を、光学顕微鏡、透過電子顕微鏡で観察した。c-fos(-/-)のマウス角膜は、c-fos(-/+)(+/+)のマウス角膜にくらべ、低形成であった。特に、角膜上皮のデスモゾーム数は、有意に減少していた。このことから、c-fos遺伝子が、角膜上皮の分化に何らかの影響を与えていると考えられた。
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