研究概要 |
生後4〜7日のLewisラットの摘出眼球から網膜を分離、トリプシンで消化後、成長因子(GM-CSF,M-CSF)を含んだ培養液で増殖させると、含んでいないものに比べ、M-CSFで約1.5倍、GM-CSFで約2.5倍増殖した。ミクログリアは、接着系細胞であるのでミクログリアの吸着性を利用し細胞分離した。ミクログリア細胞の同定はED1、OX42が免疫染色にて陽性を示すことで確認した。蛍光標識したLDLを培養細胞のwellに加え6時間インキュベイトした後、confocal蛍光顕微鏡で観察した結果、全ての細胞に貪食能がみられた。GM-CSFとM-CSFで培養したミクログリア細胞をウエルにまき、MHC-class II,ICAM-1,B7-1,B7-2に対する蛍光標識された抗体で細胞を標識した。さらにM-CSFで培養した細胞には活性化を目的としてIFN-γを24時間インキュベイトした。FACSを用い、各々の培養細胞の蛍光強度を比較した結果、ICAM-1,B7-1は各々陽性を示したが、MHC-class II,B7-2はINF-γで活性化した細胞のみ陽性を示した。 以上の結果から網膜ミクログリア細胞はIFN-γの存在下で、局所免疫のトリッガーを担う細胞となる可能性が示唆された。
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