研究概要 |
今年度に行った研究によって得られた新たな知見等の成果 <はじめに>本研究では整形外科手術における皮膚変形の解析に関して、京都大学再生医科学研究所シミュレーション医工学分野と協力してコンピュータ上で有限要素法を用いてシミュレーションした。本研究は我々の考案した新しい菱形皮弁の移動を2次元で解析した。<材料と方法>解析にはCOSMOS/M(version1.75,SRAC社,Los Angels)を用いた。Limberg型菱形皮弁において、。従来のデザインと皮弁をS型に改良した新しい皮弁の解析を2次元で行った。得られたデータに関しては、屍体皮膚を用いてその整合性を確認した。<結果>新しく開発したS型の菱型皮弁は従来の菱形皮弁よりも少ない力で移動が行え、かつ皮弁の血行も阻害しないことがわかった。<考察>新しいS型の菱形皮弁は皮弁の内側に凸の辺が移動時に直線よりもより大きく引き延ばされ、その結果移動に要する力が小さいことがわかった。また皮弁の内側に凸型の曲線を皮弁の近位に作成すれば皮弁の血行も阻害しないことが得られた。有限要素法を用いた手術シミュレーションは有益であり、今後の臨床応用への発展性に期待でき得る。 昨年度と今年度で得られた結果は10th Japan and China Joint Meeting on Plastic Surgery,Oct.,1999,Osaka,Japanにて発表した。また雑誌Plastic and Reconstructive Surgeryに標題Can Dog Ear Formation Be Decreased When S-Shaped Skin Resection is Used Instead of Spindle Skin Resection?-Three-dimensional Analysis of Skin Surgery Techniques Using the Finite Element Method-にて発表採用が決定している。今後菱形皮弁の結果も雑誌に投稿発表予定である。
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