研究課題/領域番号 |
10770992
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
|
研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
瀬田 祐司 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (90291616)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 味蕾 / 転写制御因子 / Mash1 / Prox1 / ラット / Mashl / bHLH型転写制御因子 |
研究概要 |
RT-PCRの結果より、Mash1の発現は味蕾を含んでいる有郭乳頭・葉状乳頭・茸状乳頭上皮のみに認められ、味蕾を含まない舌上皮には認められなかった.さらにin situ hybridizationの結果では、味蕾におけるMash1の発現は味蕾の基底細胞と一部の味蕾細胞にのみ認められた。味蕾細胞の中でMash1を発現する細胞の中には味細胞のマーカーの1つであるPGP9.5を発現している細胞も認められた。しかし別の味細胞のマーカーであるgustducinを発現する細胞はMash1を発現していなかった。これらのことから、Mash1は味細胞の一部の細胞の分化に必要であることが示唆された。 舌咽神経を切断すると、術後2週で有郭乳頭から味蕾は完全に消失し、術後4週で味蕾の再生が観察された。その時のMash1の発現を検索すると、味蕾の消失時にはMash1の発現は認められず、再生時には再び発現が認められた。また、発生期の舌上皮におけるMash1の発現を検索すると、胎生16日の舌からMash1の発現が認められ、それ以前の舌(胎生14日)からはMash1の発現は検出されなかった。電子顕微鏡で胎生期の舌を検索すると、胎生16日に舌咽神経が初めて舌上皮に侵入しているのが観察された。このことから、舌咽神経切断による有郭乳頭の味蕾の消失・再生時におけるMash1の発現の変化と発生期の舌上皮におけるMash1の発現から、味蕾におけるMash1の発現は神経による支配が必要であることが示唆された. さらに、味蕾においてショウジョウバエのprosperoのホモログであるProx1の発現がRT-PCR,in situ hybridizationによって認められた。味蕾におけるProx1を発現する細胞は基底細胞に限局して観察され、味蕾におけるProx1の発現が味蕾細胞の分化過程の初期の段階でおこっていることが示唆された.
|