研究概要 |
まずはじめに、ヒト唾液腺由来細胞株であるHSGおよび、その派生細胞であるHSG-AZA1,HSG-AZA3を用い、それらの細胞を各種分化誘導剤を用いて分化させ、それぞれの細胞への分化を確認した。次いで、コネクシン(Cx)26、32、43について、その局在様式を免疫細胞化学的に検討した。HSGから、レチノイン酸により誘導された角化扁平上皮細胞(68Kサイトケラチン、インボルクリンにより誘導確認)では、Cx26の発現が確認された。さらに同細胞を低カルシウム条件下で培養したものでは、Cx43の発現が確認された。HSGからエトポシドにより誘導された平滑筋様細胞(平滑筋アクチンとデスミンの発現により誘導確認)と、HSG-AZA3から22-オキサ-1a,25ヒドロキシビタミンD3により誘導された骨芽細胞様細胞(アルカリフォスファターゼの発現上昇などにより誘導確認)では、Cx43の発現が認められた。また、筋上皮細胞の細砲株となっているHSG-AZA1および腺房細胞の細胞株となっているHSG-AZA3においては、いずれもCx43とCx32の発現が認められた。 続いて行なったWestern blot法によるCx発現の定量的検索では、発現確認はされたが、定量的には特徴的な結果は得られていない。条件調節を行なって再検討を行なうと共に、in situ hybridization法(ディゴキシゲニン標識RNAプローブ使用)によるmRNA発現の確認中である。
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