研究課題/領域番号 |
10771003
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
熊谷 由美 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (90277591)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ヘモリシン / 病原性 / 成人性歯周炎 / 歯周病 |
研究概要 |
Porphyromonas gingivalisは歯周病原菌の一つと考えられており、その増殖にビタミンK_3とヘミンを必要とする。ヘミンはヘモグロビンに由来し、本菌病原性に深く関与している。本菌はin vitroで溶血活性を示し、歯周病巣は易出血性であることを考え合わせると、本菌の溶血活性が歯周病原性に重要な関わりをもっている可能性が高い。 本研究では、分子遺伝学的手法を用い、本菌W83株の溶血活性に関わる遺伝子をクローニングし、以下の結果を得た。 1)少なくとも 16 種の溶血活性に関わるDNA断片がクローニングされた。 2)これらの中には既知の主要プロテアーゼ遺伝子は含まれていなかった。 3)16 種のうち3種の挿入DNA断片の全塩基配列を決定した。それはThe Institute for Genomic Research(TIGR)の本菌ゲノムデータベース上に位置付けられ、その塩基配列と完全に一致した。 4)残る13種のうち7種の挿入DNA断片の部分塩基配列を決定し、それを元にしてTIGRのデータベースを検索し、全塩基配列を推測し、TIGRデータベース上に位置付けた。 5)残る6種の挿入DNA断片も制限酵素地図からみて明らかに独立の溶血活性に関わる遺伝情報を含んでいた。 以上のことから、P.gingivalis W83株の新規な溶血活性に関わる遺伝子、あるいはその大部分を含むDNA断片が少なくとも16種クローニングされ、そのうち10種についてその全塩基配列が明らかにされ、TIGR P.gingivalisゲノムデータベース上に位置付けられた。本菌の赤血球溶血の作用機序は、現在までに推測されているものとは異なってはるかに複雑である可能性が強く示唆された。
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