研究課題/領域番号 |
10771024
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
鍛冶屋 浩 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (80177378)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 破骨細胞 / カルシトニン / ナトリウム / プロトン交換輸送体 / 液胞性プロトンポンプ / リン酸化酵素 / プロトンポンプ / プロテイン キナーゼ |
研究概要 |
破骨細胞はその骨吸収サイクルにおいて、骨基質に強く接着・極性化し骨を吸収する骨吸収状態と吸収せず次の吸収の準備のために移動する移動状態の二つの形態的変化を繰り返している。この内、骨吸収状態の破骨細胞にはNa^+/H^+交換輸送体(NHE)と液胞性プロトンポンプ(V-ATPase)の二つのプロトン(H^+)放出輸送体が発現しており、これらによりH^+放出能が移動状態の細胞に比較して活性化されていることを報告した。そこで、本年度はこれら骨ミネラル溶解・吸収の本体であるH^+放出輸送体が種種のリン酸化によって調節されているか検討した。この結果、cAMP依存性リン酸化酵素(PKA)の活性化薬により吸収状態の細胞のH^+放出能が抑制され、この抑制はPKA阻害剤の前処理により減弱された。さらに、PKAを主なセカンドメッセンジャーするカルシトニンは同様に吸収状態の破骨細胞のH^+放出能を抑制した。一方、移動状態の細胞のH^+放出能はNEHにのみ由来し、PKA活性化薬はこの放出能に効果を与えなかった。又、チロシンリン酸化酵素(PTK)阻害剤も吸収状態のH^+放出能を同様に抑制した。しかしながら、PKC活性化剤は、逆に吸収状態のH^+放出能を上昇させた。以上の結果より、骨吸収状態の破骨細胞におけるH^+放出能はPKA活性化やカルシトニンにより抑制されることが明らになった。しかしながら、PTKやPKC活性化は逆に吸収状態のH^+放出能を上昇させると考えられ、吸収状態のH^+放出輸送体は種種のリン酸化酵素によって相反的に調節されている可能性が示唆された。
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