研究概要 |
疼痛とMR画像上の円板後部結合組織のT2信号強度との関連を縦断的に検討することを目的として、本研究を遂行した。治療前および治療中にMRI診断が必要とされた顎関節症患者に対し、MR装置により治療前に顎関節の開閉口時の矢状断、T2強調画像を撮像した。次に、治療途中に開口時のT2強調画像を撮像した。閉口時の矢状断画像上で、1mm^2の関心領域を関節円板後方肥厚部直後の円板後部結合組織および円板後部結合組織の最後方部の2部位に設定し、T2信号強度の計測を行った。それら、2部位の平均値を計測値とした。疼痛の評価に関しては、MRI撮像直前に咬合時の疼痛の程度を患者より聴取し、それを疼痛の評価値とした。得られた5関節の結果から、疼痛の変化は、様々な円板後部結合組織のT2信号強度の変化と関連していることが示唆された。また、従来の画像を用いたmodalityでは検出が困難であった下顎頭骨髄変化の所見をMR画像上で抽出し、それらと疼痛との関連を検討した。その結果、下顎頭骨髄変化と疼痛との間に有意な関連が認められた。1編の論文を学術雑誌に発表し、1編の論文が発表予定である。(Sano T.Recent developments in understanding temporomandibularjoint disorders.Part 1:bone marrow abnormalities of themandibular condyle.Dentomaxillofac Radiol.2000;29:7-10.Sano T,Westesson PL,Larheim TA,Takagi R.The association of temporomandibular joint pain with abnormal bone marrow of the mandibular condyle.J Oral Maxillofac Surg.in press)
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