研究概要 |
本研究の目的は,3種の抗菌剤(メトロニタゾール,セファクロール,シプロキサシン)を含有する暫間的覆髄法(3-Mix法)を用いて処置した象牙質に対してのコンポジットレジン接着システムの接着機構の解明である。 現在,深在性う蝕を窩洞に3種の抗菌剤をα-TCPセメントに混和させたものを覆髄剤として使用し,セルフエッチングボンディングシステムのLB IIΣ(Kuraray)中のでΣプライマーで処理し,Σボンドを塗布,照射後,コンポジットレジンのフォトクリアフィルAP-Xを充填,照射し,覆髄剤が口腔内に溶出しないようにシーリングしている状態である。充填後3〜6ヶ月経過したものについて充填物を除去して,各接着システムすなわちセルフエッチングプライマーのLB IIΣ,およびウェットボンディングシステムのシングルボンド(3M)を使用してコンポジットレジン修復を行い,接着強さを測定したが,試料数が少なく,また実際の口腔内で操作を行うのでため,誤差が大きくその傾向を得ることができなかった. しかし,今後実際の口腔内での接着性について継続して検討する予定である.
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