研究課題/領域番号 |
10771071
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
宇尾 基弘 北海道大学, 歯学部, 助手 (20242042)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | ガラス / 生体吸収性材料 / 細胞毒性 / 溶解速度 / 生体適合性 |
研究概要 |
本研究は低融点ガラスの溶解速度や細胞毒性などの物性をガラス組成から制御し、最適組成を模索するとともに、実際の生体内での分解吸収材料として応用することを目標とした。今年度は本ガラスの細胞毒性、生体親和性の評価と動物への埋入試験を中心に行った。 細胞毒性はガラス組成と二種類の関連を持つことが分かった。第一は溶解速度との関係であり、ガラスの溶解速度が低いほど細胞毒性が低いことが分かった。これはガラスが溶解にすることによる培地内のイオン強度が変化するためと考えられた。第二はガラスの溶解に伴う培地のpHの変化である。本系ガラスはNa_2O-CaO-P_2O_5であるが、P_2O_5が50mol%より多いガラス組成ではガラスの溶解に伴い培地中のpHが酸性に変化する。このような組成のガラスは極めて高い細胞毒性を示した。以上のことから、本系ガラスで細胞毒性を低く制御するにはP_2O_5濃度を50mol%付近に保ちつつ、Na_2O/CaO比を制御することでガラスの溶解速度を適度に低減する必要があることが示された。 さらに動物埋入試験より、埋入時にはin vitroでの実験に比べて溶解速度が速く、また溶解によるイオン強度やpHの変化によって周囲組織に影響が出やすいことが示された。 以上より、本系ガラスを生体内での分解吸収性材料として用いる場合にはP_2O_5が50〜60mol%でNa_2O/CaO比を制御することによって、毒性の低い最適な溶解速度の材料を作成し得ることが分かった。
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