研究課題/領域番号 |
10771076
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
本村 一朗 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (60272598)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | チタン / 表面処理 / 陶材 / 陶材焼付冠 / 審美修復 |
研究概要 |
チタンは生体親和性、耐蝕性に優れた材料としてインプラントや補綴物への臨床応用が進められている。前歯部への適応などを考えると、陶材による前装技術の確立も重要であるが、通法の金合金と陶材の組み合わせの焼付強さと比較して焼付け面の酸化した部位で剥離しやすいことがこれまでの研究により明らかにされてきた。チタンの審美歯科における利用に関して陶材焼付の焼付強さの更なる向上や安定、また焼成時の酸化が補綴物の適合性へ影響を及ぼすことから陶材焼成時の酸化抑制が必要と考えられた。著者はこれまでに酸化抑制のための手段として陶材燒付鋳造冠焼成炉の改造による雰囲気制御によるチタンの酸化抑制を行った。これにより補綴物の適合性への影響と安定性は向上したもののチタン-陶材界面への酸化抑制は得られなかった。そこで、本研究ではチタン板への表面処理として金イオンスパッタリングを施すことにより酸化抑制をはかった。イオンスパッタリングの厚みを推定厚さ200Å、400Å、600Åとし、これらに陶材の築盛・焼成、包埋後、圧縮せん断試験を行い焼付強さを求めた。また、電子顕微鏡を用いた破断面の観察、エネルギー分散型X線分光法による破断面の元素分析も併せて行い破断部について検討を行ったところ600Åの条件において剥離の原因と考えられる酸化膜の成長を抑制し、焼付強さの向上が認められる事が明らかとなった。これまで高真空下において陶材の焼成を行い、高い焼付強さが得られた報告やチタン表面にコーティングを施すことによって酸化の抑制が行えた報告はあるが、陶材焼成への応用例としての報告はまだなされていない。そのため本研究は歯科臨床において十分な意義が在るものと考えられた。
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